社長の想い

 

2024年、社長の想い

2024年を迎えました。60年ごとに巡ってくる今年の暦、年相に照らして我が社の取り組みについて社内外の皆様に3点ほどシェアさせていただきたいと思います。

さて、今年の干支は「甲(きのえ)辰(たつ)」、音読みでは「コウシン」です。今年から始まる十年間のスタートを切る非常に大事な年となることを表します。

一つ目の文字、「甲」は新芽が出始める意味があります。「はじめ」には、十分慎重にやらなければいけないという意もありますが、新たなる創造・開発という義にも通じます。
従って、発芽するという自然の機運に応じて古いかたち、体制を打ち破って、革新の歩を力強く進めなければならないということになります。

二つ目の文字、「辰」。後漢末の辞書である『釈名(しゃくみょう)』によると、「辰」は伸なり。物みな伸舒して出ずるなり」とあります。「辰」は伸に通じ、陽気が動き、草木が旺盛に伸長していく様を表しています。

『易経』の「震」の卦にありますのは、最終的には「陰陽が逆転し、新しいものが芽生え、結果的には良くなる」ことを暗示します。その伸長していく道程は、決して平坦なものではないようです。そこでは、言動を戒め慎み、泰然自若としてやるべきことを着実にやって行く必要があります。これが「辰」の字義のまとめです。

これら「甲」、「辰」それぞれの意味するところを統合しますと、これから始まる10年間を「意味づける」スタートの1年であり、極めて重要な年になると考えられます。我々は心して今年の計画に盛り込むべきかと思います。これが1点目のシェアです。

 

奇しくも今年はお札が刷新されます。明治維新を機に欧米列強と伍するべく国作りを進め、日本銀行や東京商工会議所はじめ、幾多の大企業を創業した渋沢栄一翁が1万円札を飾ります。「第4次産業革命」の真っ只中にある現在、新旧交代がドラスティックに進んでいます。平家物語にある「諸行無常、盛者必衰の理をあらはす」は日本に容赦なく押し寄せ、日本の自動車輸出世界一の座は今年を以って中国にその座を譲ることになります。

トヨタを筆頭とする日本という船団を外から支える必要がある。トヨタグループの一員という根拠なき安心感に安住することなく、一から出直すことで、日本の新たな成長の一助となるべく起業した私ですが、思ったよりもはるかに速く時代は動いているようです。企業の代表たる個人としても、企業としても、今正に渋沢栄一翁の気概を以って甲辰の年のスタートを切らなくてはなりません。

人工知能ChatGPTの登場でコンピュータが人の仕事を代替する世界が現実のものとして動き出した2023年、仕事や職業の価値は大きく変わり始めました。これから10年以内に精鋭社員1,000人体制と謳ったのは昨年の年頭所感でのことですが、日本の一翼を担う企業となるべく、何をしたら良いかを改めて考えます。

 

社員とお取引先様各社、事業を支えて下さる皆様の期待に応える。『Japan as No.1』と言われたほんの1世代前、今を生きる日本の若者には親世代の輝きを自分たちも!と求めたくなるような「夢を持てる」社会をみんなで実現する。アップローズが大きな役割を担えるようになるべく、次のような一歩に取り組みます。

2024年年初、アップローズではこれまで副業や個人の起業向けで成果を積み重ねてきたサービスをB2Cの企業向けに発展させ、ローンチします。ローリスク、ローコスト、短期間での実現が特長の「新規事業立ち上げコンサルティング」です。

海外企業の持つ日本未上陸商品を自社のラインナップとしてとして取り込み、情報発信によってブランディングを図りつつ、集客から販売(卸先の斡旋という踏み込んだところまで)をサポートする一連のノウハウとその提供体制が確立出来ました。「新規事業立ち上げコンサルティング」のうち、鉄板事業の「ファブレスメーカー事業立ち上げ」コンサルを早々にローンチする予定です。(1月のプレスリリースを予定しています)

産業革命は従来の収益分野を周辺事業含めごっそりと無効化します。社員やその家族の将来を支える企業各社が一刻も早く、収益基盤を再強化し得るよう、第2、第3の柱となる新商品や新サービスを積極的に打ち出せる、「新規事業立ち上げコンサルティング」の普及に注力し、中小、中堅企業の経営基盤強化を目指します。これが2点目のシェアです。

トヨタ自動車、デンソー、アイシン精機始め日本の稼ぎ頭各社の最先端生産設備の導入支援を商社マンとして先導して来たからこそできる貢献。豊田自動織機の製品の海外市場開拓・販売を現場で担って来たからこそ出来る貢献。世界No.1コンビニエンスストアチェーン本部=セブンーイレブン・ジャパンの成功をサービス開発、経営指導の立場で担って来たからこそできる貢献。商社として、ファブレスメーカーとして、他社にも導入頂ける再現性あるノウハウを蓄積し、再移植出来るカタチにしたからこそ出来る貢献。1人で出来る経験や貢献は限られています。社員の皆さん、協力先企業の皆様、顧客への価値提供のためにそれぞれの持てる知識・ご経験をお貸しください。第2弾、営業のDX化、工場のDX推進はこの国の企業を元気にします。家族が住むこの美しい日本のため、踏ん張りどころの今こそ力を合わせましょう。これが3つ目のシェア(お願い)です。

 

最後に、年初からの能登地震で日本中の多くの方が日々心を痛められ、被災なさった方に至っては本当に辛い日々を過ごされていることと存じます。どうか支え合いの気持ちを以って、能登地震被災者のみなさんに温かいご支援を呼び掛けさせていただきたく存じます。

以上、これから始まる飛躍の十年の1年目と捉え頑張って参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

2024年1月1日
株式会社アップローズ
代表取締役
上田 泰三